肌の調子と睡眠の関係

「人は一生のうち、3分の1を睡眠に費やす」などという言葉を聞いたことがあると思いますが、それはつまり、一日になおせば8時間の睡眠ということになります。しかし、忙しい今の社会のなかで、どれくらいの人が8時間の睡眠をとることができているのでしょう。

仕事に忙しいビジネスマンだけでなく、子供でさえ、昔に比べると塾や習い事等で忙しく、家庭の主婦も家で家事をしているだけでなく、パートに出り、習い事をしたりと忙しくて、睡眠に割く時間は減ることはあっても増やすほうにはなかなかうまくいかないのが現状ではないでしょうか。

疲労から回復するために睡眠は大事だと言われますが、睡眠は他にも重要な意味を持っています。

①睡眠の及ぼす効果

睡眠が私たちに与える効果は疲労回復だけにとどまりません。寝ているとは何もしていない状態を指すのではなく、寝ているときにこそ、体は活発に動いている面もあるのです。

実際、疲れがとれて、体に調子が戻るのも、寝ている間に、体の各組織が修復にむかって働くからです。睡眠は決して何もしない状態ではなく、体にとって大事な活動を行っている時間であり、起きている時間と同様、睡眠にあてがわれる時間もまたわたしたちにとって重要なものです。

睡眠によって体の機能の効率もあがる

記憶するためには睡眠が必要といいますが、わたしたちが睡眠に入ると、脳はわたしたちがその日一日、見たり聞いたりして入ってきた様々な情報を必要に応じて取捨選択し整理します。

ぐっすり熟睡できた感じのあるときは、睡眠中における脳のこうした活動がうまくはかどったことを意味しています。逆に睡眠時間が足りず、片づけなければならない仕事や課題がたくさんあるのに、全く進まない、いい考えも浮かばない、というときは脳のパフォーマンスが落ちているといえます。

睡眠は体を守る

病気の予防にとっても睡眠は重要です。たとえば、体に侵入した細菌や異物に対して、それを取り込み消化分解する白血球は、睡眠中にたくさんできます。白血球のように睡眠中に活発に働くものがある一方で、活動がにぶるものもあります。

心臓がそうなのですが、睡眠中は血圧は低く安定し、上昇は起きる前になります。睡眠中の安定した心臓の状態は、心臓病のリスクを減らします。あらゆる効果を与える睡眠ですが、よりよい睡眠の取り方とはどういうものがあるのでしょうか?

時間よりも質

「ゴールデンタイム」という言葉を聞いたことがあると思います。22時~午前2時の4時間を指すのですが、肌にとっても、成長期の子どもなら骨の成長にとっても大事な時間帯だといわれています。

しかし、ほんとうにこの時間帯だけ睡眠を確保していれば肌の状態は回復し、身長はのびるのでしょうか?事実は少し違います。というのも、睡眠において、もっとも重要なのは時間帯ではなく、睡眠の「質」だからです。

具体的にいえばそれは、寝始めの3時間といわれています。たしかに、どのくらい睡眠(時間)をとったのかは大切なことですが、成長ホルモンの分泌はむしろ睡眠の質に左右されます。

②成長ホルモンの分泌が盛んになることが美肌のカギ

睡眠をとることによって肌は再び活力を取り戻しますが、では、実際にはどのようなことが睡眠中に起っているのでしょうか?毛穴の開き、そばかす、シミ、乾燥肌など、肌の悩みは人それぞれで、美肌のための対策もいろいろです。

そこでますは、成長ホルモンの働きからみてみましょう。

成長ホルモンとは何か?

成長ホルモンは、育ち盛りの子どもの背をのばすためのホルモンだと思っている方もいることでしょう。しかし、成長ホルモンは、成長がおもわったあとも活動を続け、人体の各組織の機能を支えています。

たとえば、肌や髪の健康状態を維持したり、ダメージを受けた組織を治す働きがあります。肌と身長(骨がのびる)とゴールデンタイムいう、一見あまり関係がないように思われるものも、成長ホルモンを通して結びつけるとよくわかる話です。

成長ホルモンと肌の関係

成長ホルモンは新陳代謝にふかくかかわっているため、それが活発に肌に作用すると、ニキビやシミの予防になるばかりか、すでにそれらができてしまった肌の状態も改善の方向へと働きかけてくれます。

新陳代謝の活発化によって、肌の肌のターンオーバーもはやまるのです。加齢によってターンオーバーはそのスパンが長くなるため、十分な睡眠をとって対処したいものです。

肌の具合がいいと、体の具合もいいと思えるのは、成長ホルモンが活発に働いているからなのです。成長ホルモンが活発化するためにも睡眠の質を向上する必要があります。

睡眠の質をあげるためには、食生活や運動等、生活のなかに見直しの必要のあるものがいろいろとあるかもしれません。しかし、あまり欲張らずに、無理のない計画をたてて、質の良い睡眠のためにできることを取り入れてみましょう。

あまり無理をしないことが、ひょっとすると一番の美肌のカギなのかもしれませんね。

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